伊弉諾 雫 作品集

散文詩・エッセイ・批評・考察・論評

君に似ている

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大空を見上げて、青空を見つめて、その蒼さの中へ落ちてしまいそうだ
夜空を見上げて、星空を見つめて、その輝きからこぼれてしまいそうだ


人は勝手に、本当に勝手に、蒼さや輝きに意味や理由を持たせようとする


投影したそれらが心に響かなければ、無粋なモノとして断罪される


正確に、的確に。


時代が進むにつれて、より厳密にそういうものが測れるようにはなった


0と1の間の揺らぎも、そうやって埋められていくのは仕方のないことなのだろうか?


埋められていくのを拒めば、病という便利なコトバで処理される


大空を見上げて、青空を見つめて、その蒼さの中へ落ちてしまいたい
夜空を見上げて、星空を見つめて、その輝きからこぼれてしまいたい


悲しみに似た、柔らかな静寂に、一人、伝える術も持たず佇んでいる
悲しみに似た、柔らかな静寂は、肉体の中にある、形のない確かなものを、
そっとほぐしてくれる


空や星は、冷然と遙かなる時空を超えてなお、人には変わらないものと知覚される
それすらも、人が勝手に、本当に勝手に、自らの想像力の範囲内で納めるために、
決めつけただけのもの


「わからない」と素直に呟いた時に、瞳に映る見上げた空は、
変わり続ける、君に似ている


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