伊弉諾 雫 作品集

散文詩・エッセイ・批評・考察・論評

未来からの手紙

========================================


僕は僕だけの道を生きたくて


勝てるように、と、牙を剥き続けてきた



立ち止まると弱さに負けてしまいそうで


躓くように走り続けた



もう一歩、先に進めたら、君と輝けるような気がして…。


ひとかけらの優しさも見せられていないことに気づかないまま…。



2人のためと信じて疑わなかったあれやこれや


ただ僕の不安を消すために、君から理由を奪っていただけだった



強さの意味と引き換えに、君をもう手の届かないところへと追いやってしまった…。



胸を苛む痛みは消えやしないさ


それでも、負けないように、笑顔でいること



君も僕も、新しい暮らしをはじめて


随分と時が流れた



風の便りに、うまくやっている、と聞いた


きっと、真っすぐに生きてるんだろうね、変わらずに…。




時々、君が抱きしめて言ってくれていた言葉を思い出す。


「ずっとみてるから お互いの好みは違っても


 欲しいものは同じだから 離れないように


 ずっとみてるから…」




思えば、僕の身勝手な生き方で、どれだけ辛い思いをさせたのだろう


それでも君は、どこまでも優しかった…。



もし、いくつもの生活の傷を負って、そっと目を閉ざしているのなら


僕の傍においでよ



誰にも知られない小さな涙を、まだ独りで零しているのなら


もう一度、僕の傍においでよ



あの頃、探しても探しても、たどり着けなかった優しさで


今度は僕が包んで抱きしめたい



光を灯してあげる


僕が、光になる



君がよければ、だけれども…。



時は移ろい、何もかもが変わって見えても


何も変わらずここにいる



過ぎた時よりも何よりも、君から貰った強さの意味で


君を守らせてほしいんだ



少しだけ変わった僕で、何も変わらずに、ここにいるから…。



PS:これも自分勝手な言い草だね。
  
  どれだけ大人になれたなら、幸せになれるのかな?


  ゴメンね


========================================

×

非ログインユーザーとして返信する