終わりを知ってるから
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安らかな寝息を立てて眠る君
不意に寝顔がゆがんで見えた
「ナイテイルノカ…」
頬を伝う、温かい雫を、拭う気になれなかった
この柔らかな想いは、悲しみなのか、満たされているのか
2人の時間を代償に得る暮らし
疲れた心にも還る場所がある
雫が胸の奥に沁みて、固いものがほどけてゆく
心を許すこと、許されることが怖いのに
胸に拡がる穏やかさに委ねて
感じるままに、髪を撫でてみる
わからなくなる、柔らかな想いが、悲しみなのか、満たされているのか
溢れてくるんだ、頬を伝い続ける雫と同じだけ、分かり合えたつもりで、
終わってしまった、いくつもの過去が
もう、瞳を閉じよう。
とりとめもなく、溢れ出る想いが、柔らかい、ということだけでいい
それだけでいいんだ。
そのまま溢れさせておけばいい、いつかは、終わってしまうのだろうけど
終わりを知ってるから、できれば最後まで、柔らかな心のままでいられればいい
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